専用の口座にお金を預けて、プロトレーダーに運用を任せられるサービス「MAM(マム)」と「PAMMパム)」。
自分で取引せず、完全自動で運用ができるのがMAMとPAMMのメリットです。とは言え、ほとんど同じに見えるMAMとPAMMの違いはあるのでしょうか?
結論から言うと、MAMとPAMMは取引の仕組みから違い、人によって相性も分かれます。
本記事では「MAMとPAMMの違い」をテーマに仕組みやメリットデメリット、上手く稼ぐためのコツまでまとめました。
- MAMとPAMMは親口座がファンドマネージャーとして取引
- MAMは親口座の取引を子口座にてリアルタイムで再現する
- PAMMは子口座の資金を集めて親口座が取引する
- 細かい情報を見れるのはMAM、PAMMは手法を公開したくないトレーダー向け
- MAM/PAMMで稼ぐコツは信頼・実績・継続して稼げるファンドマネージャーを選ぶ
プロトレーダーが運用する完全裁量PAMMを以下の記事で紹介しています!
MAMとは?
MAMとは、Multi Account Manager(マルチアカウントマネージャー)の略です。
MAMを利用することで、自分自身で取引せず、トレーダーによる取引を自分の口座でリアルタイムに再現できます。
親口座(マネージャー)の口座と、子口座(MAMの利用者)に分かれ、親口座が発注すると自動的に子口座でも同様の発注が行われるのがMAMの仕組みです。
取引を行うのは親口座のトレーダーですが、ポジションの保有や決済を含む各種注文は、MAM利用者それぞれの口座で行われます。
ただし、ポジションサイズは口座残高に合わせて調整され、MAMの種類によっては事前にロットサイズも指定可能です。
実際に取引が行われるのも自分の口座なので、親口座のマネージャーが資金を引き出せない仕組みになっています。
PAMMとは?
PAMMとは、Percentage Allocation Management Module(割合分配管理モジュール)の略です。
親口座が主なって取引する意味では、PAMMとMAMに違いはありません。しかし、PAMMは、取引および実際にポジションを持つのも親口座のみです。
PAMMの仕組みは、いわゆるファンドに投資するのと似ています。
子口座に入金した資金は、親口座の資金として扱われ、資金割合に応じて親口座の取引で発生したトレード損益が子口座に分配されるのがPAMM口座の仕組みです。
ようするに、子口座には親口座の取引結果のみが反映される形になります。
MAMとPAMMの違いとは?
親口座と子口座に分かれ、自分で取引することなくトレーダーに運用を任せるMAMとPAMM。
とは言え、具体的にMAMとPAMMの違いは何があるのでしょうか?ここでは、初心者向けにMAMとPAMMの具体的な違いを分かりやすく解説します。
先に、大まかにMAMとPAMMの違いを表にまとめると以下の通りです。
MAM | PAMM |
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|
MAMとPAMMの違い(1) 資金の管理
MAMとPAMMの大きな違いとして、資金の管理はどちらに権限があるか?があります。
MAMは、子口座でポジションを持ち、取引を行うため資金の管理権限を持つのも子口座です。
一方で、PAMMは各社で細かな仕様の違いはあるものの、原則として資金の管理権限は親口座にあります。
なぜなら、PAMMで実際に取引を行うのは親口座だからです。取引を行うには当然、トレード資金が必要になります。
仮に、PAMMで子口座に資金の管理権限があれば、ポジション保有中に出金され、証拠金維持率が低下→強制ロスカットで破綻する可能性があるのです。
実際に取引が行われるのが親口座なのか、子口座なのかの違いから、MAMとPAMMには資金の管理権限の違いがあります。
MAMとPAMMの違い(2) ポジションや発注状況について
ポジションの保有状況や、発注状況についてMAMはリアルタイムで確認できます。
MAMは、取引に関する判断を自分自身で行う必要はありませんが、実際に取引が行われるのは各子口座だからです。
MAMは、ようするに自分の口座で行われる取引ですから、ポジション保有中の含み益、含み損まで細かくリアルタイムで確認できます。
一方で、PAMMは子口座が親口座と連動するのは、資金割合に応じたトレード結果のみです。
PAMMの場合、実際に取引を行うのは親口座のみになります。
PAMMを提供する証券会社によって異なりますが、子口座の資金は期間中、親口座へ移るか子口座の資金は親口座の資金として取り扱われるのが一般的です。
MAMとPAMMの違い(3) トレード履歴
「いつ、どの銘柄をどういった注文方法で取引したか」といった細かいトレード履歴が確認できるのはMAMです。
前述した通り、MAMは子口座で実際に取引が行われ、PAMMは親口座のみが取引を行う違いがありました。
取引が実際に行われないPAMMの子口座では、トレード結果(損益)のみが反映されるため、トレード履歴をさかのぼることができません。
MAM/PAMMを使うメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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MAMとPAMMを使うことで、上記のメリット・デメリットがあります。
また、一部MAMとPAMMの違いによるメリット・デメリットもあるので、より細かな内容をまとめました。
MAM/PAMMのメリット(1) 少額でも始めやすい
MAMやPAMMは、取引を委託するサービスの中でも非常に少額資金から始めやすいメリットがあります。
特にMAMは、トレーダーによる取引を再現する仕組み上、リスクを許容すれば、少額資金でも短期間で大きく稼ぐことも可能です。
MAMでは、親口座の取引を子口座で再現する仕組みと解説しました。
証券会社によっては、自己資金の何%で親口座の取引を再現するかを設定できるかを自由に設定できる場合もあります。
基本的には、トレーダーの親口座の方がロットサイズが大きく、利益も大きいため再現するロット数を上げれば、勝ちトレードの利益も大きくなります。
MAM/PAMMのメリット(2) プロトレーダーが運用してくれる
何といってもMAMとPAMMは、少額資金からでもプロトレーダーに運用を任せられるのがメリットです。
MAMとPAMMのどちらも、親口座は子口座の資金を間接的に運用します。
いわゆるファンド(投資信託)として、プロトレーダーはトレードを行いますから、実績を出さなければ、子口座として利用するユーザーを獲得できません。
各社でPAMMとMAMの報酬形態に違いはありますが、運用履歴の一部を還元するか、取引数に応じて一部を還元する形が一般的です。
また、PAMM/MAMの親口座を開設するには、各社の審査をクリアしなければなりません。
MAM/PAMMのメリット(3) スマホ1台でも始められる
PAMMとMAMの多くは、スマホ1台でも運用ができる場合がほとんどです。
もちろん、親口座となるファンドマネージャーは、整ったデスク環境で取引を行います。
しかし、実際に取引を行わない、子口座のPAMM/MAM利用者は最初の親口座との連携と解除のみが必要な手続きです。
PAMMやMAMを提供する証券会社の多くは、スマートフォン向けの取引ツールまで提供している場合がほとんどですから、極論スマホ1台で運用を任せられます。
MAM/PAMMのメリット(4) 上級者はファンドとして利益が得られる
プロトレーダーに運用を任せられるPAMM/MAMの利用者側のメリットをご紹介しました。
もし、トレード経験が豊富で主な収入源がトレードによる利益なら、PAMM/MAMのファンドマネージャーとして経験と利益を得られるメリットがあります。
また、PAMM/MAMを使ったファンドマネージャーとしてのキャリアは、国内より敷居が低いのもメリットです。
例えば、日本でファンドを運営するには、投資助言の許可や金融に関わる業者としての登録が必要になります。
一方で、PAMM/MAMは海外の証券会社で提供されているサービスなので、証券会社側の審査をクリアすれば、ファンドマネージャーとして活動ができます。
MAM/PAMMのデメリット(1) 海外の証券会社を使う
日本の証券会社では、一般向けにMAM/PAMMのサービスは提供されていません。
したがって、MAM/PAMMを利用する場合は、海外の証券会社を使うことになります。日本と比べて、入出金に時間が掛かる、取引条件の勝手が違うといった点から慣れが必要です。
とは言え、基本的には日本語サポートの充実した証券会社を利用することでデメリットは完全できます。
日本語サポートが整っており、金融ライセンスを取得している証券会社は以下の通りです。
- TradersTrust(トレーダーズトラスト)
- Gemforex(ゲムフォレックス)
- Bigboss(ビッグボス)
- FX Beyond(FXビヨンド)
MAM/PAMMのデメリット(2) MAMはポジション状況が見える
PAMMとMAMの違いで解説した通り、MAMは子口座で実際の取引が行われるため「リアルタイムなポジション状況」が確認できます。
したがって、含み損を抱えた状態では不安を感じたり、含み益が増えれば決済したい気持ちになるでしょう。
MAMでは、子口座へ親口座の発注が発信される仕組みであり、子口座における決済や入出金の全権限は子口座のユーザー自身にあります。
親口座の戦略と関係なく、子口座で決済もできてしまうので「勝手に早すぎる利食い」「本来の戦略とは違う損切り」を行う可能性があるのがデメリットです。
MAM/PAMMのデメリット(3) PAMMは自由に出金できない
PAMMは、MAMと違い取引を行うのは親口座のみです。
子口座の資金を合算し、親口座の資金として運用するのがPAMMの仕組みになります。
親口座のトレード資金が変わってしまうため、子口座の出金は自由に行うことができません。
基本的には、親口座がポジションを持っていない時や、各社で決められた期間を過ぎると出金できるといったルールが設けられています。
ソーシャルトレードやミラートレードとの違いはある?
近年では、「ソーシャルトレード」や「ミラートレード」も新しい運用方法として人気を集めています。
運用を任せるサービスとしては、ソーシャルトレードやミラートレードとMAM/PAMMと同じです。
しかし、実際のサービスとしては違いが大きいです。各証券会社の審査をクリアしなければならないMAM/PAMMは、経験豊富な個人トレーダーや、法人トレーダーが多い傾向があります。
一方でソーシャルトレードやミラートレードは、審査がなくSNSの様にカジュアルに参加できるのが主な違いです。
例えば、ソーシャルトレードは、審査のないMAMと言えます。
ソーシャルトレードでは親口座となるトレーダーが公開され、投資家(ユーザー)はトレーダーをフォローする形で運用を任せます。
実際に出た利益の一部をトレーダーへの報酬として支払う仕組みです。また、ミラートレードは自動売買専用のMAMをイメージすると分かりやすいでしょう。
専用のサーバーで自動売買を稼働させ、親口座ではなく自動売買プログラムをフォローする形となります。
MAMとPAMMは違法?
MAMとPAMMは、間接的でも自分以外が取引を行い資金の運用を行います。
また、海外の証券会社を利用するため、MAM/PAMMを使うのは違法ではないか?と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
しかし、結論「MAMとPAMMは違法ではない」と言えます。
なぜなら、MAMとPAMMを提供する海外の証券会社は、各国の金融サービスの提供に必要なライセンスを取得しているからです。
もちろん、一部の国ではライセンス不要で証券会社の運営ができる場合もあります。
海外の証券会社は、所在地も海外になりますから、根本的に日本の法律は管轄外です。
ただし、以下の場合はMAMとPAMMは違法となります。
- 海外の証券会社が日本居住者向けに宣伝・勧誘する行為
- 日本に拠点を構えながら金融庁の許可なくMAM/PAMMを提供する行為
基本的に、証券会社側の不正や運営によって違法となるため、MAM/PAMMを利用して問題になることはありません。
MAMとPAMMで稼ぐコツ
- 信頼できる証券会社を選ぶ
- ロジックの変わらない自動売買は使わない
- 実績のあるファンドマネージャーを利用
MAMとPAMMは、プロトレーダーに運用を任せられるため確かに素人が取引するより稼ぎやすいです。
しかし、まったくの知識や労力がなく、MAMとPAMMで必ず稼げるとは限りません。
なぜなら、多くの証券会社でMAMとPAMMは提供されており、ファンドマネージャーとなるトレーダーも数多く存在しているからです。
例えば、取引履歴から優れたトレーダーに見えても、実際に運用を始めてから、上手くリアルタイムな相場に適応できずに負け続ける場合もあります。
ここでは、MAM/PAMMを利用して稼ぐ3つのコツをまとめました。
信頼できる証券会社を選ぶ
まず、「信頼できる証券会社を選ぶ」のは絶対条件です。
とは言え、MAM/PAMMを利用するなら、海外の証券会社を選ぶため、具体的に信頼性をどう評価すべきかが問題になります。
最も分かりやすい信頼性を評価できる基準は「金融ライセンス」です。
日本の証券会社が日本の金融庁から認可を受けるように、各国の金融当局から認可されている証券会社を利用しましょう。
ロジックの変わらない自動売買は使わない
MAMとPAMMのファンドマネージャーを選ぶ際に、親口座が自動売買による運用スタイルなら、不定期でロジックの見直しを行っているかを確認しましょう。
自動売買におけるロジックとは、売買をどういった条件で行うかのプログラムになります。
例えば、長期的に上昇トレンドが続いてる状態なら、買いポジションを中心としたロジックは稼ぎやすいです。
しかし、上昇トレンドから下降トレンドに転換すれば、同じ買いポジションのロジックでは一気に稼ぎづらくなります。
相場は、トレンドの移り変わりや、レンジ相場など同じ状態に留まることはありません。
したがって、運用スタイルが自動売買のMAM/PAMMは、ロジックの更新が行われるかを確認すべきです。
実績のあるファンドマネージャーを利用
運用を任せるなら、実績のあるファンドマネージャーのMAM/PAMMを利用しましょう。
多くのMAM/PAMMは、各社でトレード実績の公開ページがあります。直近のトレード履歴だけでなく、可能な限り長期間の実績を確認すべきです。
また、低リスクで運用したい場合は、取引回数が少なく、小ロットでも着実に利益を確保している親口座を、短期間で大きく狙うならリスクが高くても、利益幅の大きい親口座を選ぶと良いでしょう。
とは言え、プロトレーダーによる優れた親口座を探すのは、初心者にとって難しいです。以下の記事で、初心者でも始めやすい「完全裁量PAMM」もご紹介しています。
MAMとPAMMの違い まとめ
今回は「MAMとPAMMの違いとは?仕組みとメリット・デメリット【稼ぐコツまで】」のテーマでした。
MAM/PAMMは、どちらもプロトレーダーへ運用を低コストで任せられる魅力的なサービスです。
とは言え、MAMとPAMMには仕組みの違いから、メリット・デメリットも違います。
完全に取引を任せるなら、ポジションを操作できないPAMMを選ぶ。あるいは、取引状況を確認したい場合はMAM、といった様に自分に合った使い方がオススメです。
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